ゆう(@life__money)です。
これまで、所得税や住民税の計算で基礎控除額や給与所得控除額を使いましたが、2020年より基礎控除額や給与所得控除額が変わります。
今回は2020年より変わる基礎控除額と給与所得控除額について考えてみました。
増額される基礎控除額
基礎控除とは所得税や住民税を計算する時に一律で差引かれる所得控除で、その額は現在所得税38万円、住民税33万円となっています。
所得税の基礎控除額
所得税の基礎控除額は2020年1月よりそれぞれ10万円増額されると同時に所得制限が設けられ、一定額の所得を超えると以下のように段階的に減額されるようになっています。
住民税の基礎控除額
住民税の基礎控除額も所得税の基礎控除額同様に10万円増額されると同時に以下のように所得によって段階的に減額されますが、住民税は所得税より1年遅れて決定される事から、2021年6月以降の住民税に適用されます。
減額される給与所得控除
給与所得控除とは、課税所得を求める際に収入から必要経費として差引かれる控除額の事で、以下のように現在よりも一律10万円ずつ減額されます。
新しい控除額で所得税を計算してみよう!
試しに下記のケースについて大まかに所得税を計算してみたいと思います。
妻:専業主婦
社会保険料:45万円
現行の控除額の場合は
所得税の概略と「103万円の壁」 | 所得税を計算してみよう!
で計算した通り、所得税は46,000円となります。
これが2020年以降の新しい控除額では次のようになります。
1)まず収入金額(年収)から必要経費(給与所得控除額)を求めます。
上表の給与所得控除額より
給与所得控除額=330万円×30%+8万円=107万円←現行より10万円低い
2)1)より給与所得を求めます。
給与所得=収入-給与所得控除額=330万円-107万円=223万円←現行より10万円高い
3)所得控除額を計算します。
所得控除額=48万円(基礎控除額)+38万円(基礎控除額)+45万円(社会保険料)=131万円←現行より10万円高い
4)給与所得から所得控除を差引いて課税所得の金額を求めます。
課税所得=給与所得-所得控除額=223万円-131万円=92万円←現行と同額
5)所得税速算表より税額を計算します。
所得税=92万円×5%=46,000円
最終的には所得税額は同じになりました。
給与収入850万円以下の場合、給与所得控除額の減額が基礎控除の増額分である10万円の為に税額に変化はありません。
仮に給与収入が1,000万円の場合、基礎控除額は現行より10万円増額されますが、給与所得控除額は現行よりも25万円減額される為、トータルで控除額が現行より15万円減る為に税額が現行よりも増える形になります。
まとめ
・2020年に所得税、2021年度分の住民税から基礎控除額が10万円増額される
・基礎控除額の増額と共に給与所得控除額が10万円減額される
・給与収入850万円以下の場合、税額に変化はない